研究概要 |
平成13年度は、ラットの自発走運動による生理的心肥大と上行大動脈狭窄による圧負荷心肥大モデルにおいて、心肥大の形成過程におけるカベオリンの役割について比較検討した。 方法:雄Wistarラットを用い、以下の4群に分類した。1)前年度と同様の特製ケージによる10週間の自発走運動群2)安静群、、大動脈縮窄による病的圧負荷心肥大モデルとして3)縮窄術後4週間経過したものと、4)sham手術群。 心筋カベオリンレベルの測定は心筋ホモジェネート中の蛋白質量とmRNA量を、それぞれ、Western Blot法により半定量した。 結果:10週間の自発走運動群の走行距離は一日平均1.6kmに達し、左室重量/体重比は24%増加した。心筋カベオ3レベルは運動群では有意に増加していた。圧負荷4週間では逆に低下していた。また、運動群では心筋のSRCa^<2+>ATPase, MHCmRNA量は正常であったが、圧負荷群では両者とも減少していた。 まとめ:ラットの自発走運動による生理的心肥大はその情報伝達系において大動脈縮窄による病的な圧負荷心肥大とは異なっていた。心筋カベオリン3レベルは前者で増加、後者で減少していた。
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