研究概要 |
変異型GP Ibα鎖のvWF結合性を、新たなAssay systemを用いて評価した結果、以下のアミノ酸残基のmutantがpick upされた。 128,172,175,217,218:ristocetin、botrocetin双方をモジュレーターとしたときのVWF bindingが特異的に低下した。 12,14:ristocetinをモジュレーターとしたときのVWF bindingが特異的に低下したが、botrocetinによるVWF bindingは正常であった。 217,218 285,287,301:botrocetinをモジュレーターとしたときのVWF bindingが特異的に低下したが、ristocetinによるVWF bindingは正常であった。 これらの残基は実際にGPIbに結合しVWF bindingを阻害する各種モノクローナル抗体のエピトープになっている可能性が高いと判断し、直ちに結合性を検討した。 6D1(ristocetin、botrocetin双方をモジュレーターとしたときのVWF bindingを抑制する) : 125 HPL7(VWF bindingに全く影響を与えない):121 我々はオーストラリアの著明なGPIb研究者Michael Berndt博士が所有するGPIbのVWF結合ドメインの結晶構造モデルを用いてVWF結合部位の候補となる残基と抗体のエピトープの空間座標解析を共同で行うことにした。このモデルによると128,172,175の相互関係は非常に近接しており協調してVWF binding siteを形成する可能性が示唆された。一方、6D1は125に結合することによって近接した位置にある128におけるVWF bindingを阻害するであろうこと、これに対してHPL7はエピトープである121がbinding siteと空間的に遠く離れているため影響を与えないのだろうと考えられた。
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