研究課題/領域番号 |
12670673
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
青木 浩樹 山口大学, 医学部, 客員助教授 (60322244)
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研究分担者 |
小林 誠 山口大学, 医学部, 教授 (80225515)
藤井 幸蔵 山口大学, 医学部, 寄附講座教員 (90322247)
吉村 耕一 山口大学, 医学部, 寄附講座教員 (00322248)
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キーワード | 動脈硬化 / 形質変換 / MAPキナーゼ / JNK / 血管平滑筋細胞 / 酸化ストレス / 細胞内情報伝達系 / アデノウイルス |
研究概要 |
【目的】動脈硬化の細胞生物学的本態として、血管平滑筋細胞の形質変換とアポトーシスが注目されている。血管平滑筋細胞は、動脈硬化発生に伴い、収縮型(高分化型;収縮蛋白に富み、合成能が低い)から、合成型(未分化型;収縮蛋白発現が低く、合成能が高い)に形質変換する。一方、アポトーシスによる血管平滑筋細胞減少は、動脈硬化病変の不安定化、脆弱化を引き起こし、不安定狭心症、心筋梗塞、動脈瘤等の基礎病態となっている可能性がある。本研究の目的は、MAPキナーゼ・ファミリー、特にJNKが血管平滑筋細胞の形質変換、アポトーシスに果たす役割を明らかにすることである。【本研究で得られた知見】形質変換のモデルとして高分化型血管平滑筋細胞の培養系を確立した。動脈硬化初期に重要な役割を果たす血小板由来成長因子(PDGF)はMAPキナーゼ系のうちERKを選択的に活性化した。一方、酸化ストレス(過酸化水素)はJNKを選択的に活性化し、細胞外刺激によって応答するMAPキナーゼが異なることが示唆された。PDGF、酸化ストレスともに血管平滑筋細胞の形質変換を誘導し、酸化ストレスは細胞死をも誘導した。これら生物学的現象の分子機構をより詳細に検討するために野生型JNK1、抑制型JNK1、JNK系の制御分子(SEK1)の活性型変異体、抑制型変異体のアデノウイルス・ベクターを作成し、血管平滑筋細胞へのほぼ100%の遺伝子導入効率を確認した。活性型SEK1を血管平滑筋に発現することにより形質変換の誘導が認められた。【今後の展望】上記アデノウイルス・ベクターを用いて血管平滑筋細胞にJNK系遺伝子導入を行うことにより細胞内情報伝達系を選択的に操作することが可能になり、JNK系が動脈硬化病変において果たす分子的役割が明らかになると期待される。
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