研究課題/領域番号 |
12670675
|
研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
大森 浩二 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00263913)
|
研究分担者 |
野崎 士郎 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (80243773)
水重 克文 香川医科大学, 医学部, 助教授 (90166009)
千田 彰一 香川医科大学, 医学部・附属病院, 教授 (30145049)
和田 佳宏 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (00314930)
|
キーワード | 心筋コントラストエコー法 / 心筋内血流速度 / 心筋内血管容積 / マイクロスフェアー法 / 心筋血流量 / ハーモニックパワードプラ法 / ジピリダモール / 超音波コントラスト剤 |
研究概要 |
先ず、ラットを用いて心筋コントラストエコー法を行い、基本原理の妥当性を確認した。すなわち、超音波コントラスト剤を持続静注しつつ、心短軸像を描出、パルス送信を20心拍毎から毎心拍に変更した際の心筋の信号強度を観察した。計測は、対照時、ジピリダモール(DIP)投与中、および左冠動脈狭窄時に施行した。前壁に設定した関心領域(41×41ピクセル)の信号強度のみを解析した。いずれの状態においてもパルス間隔の短縮後に信号強度は徐々に減衰し、一定の輝度に到達し、減衰関数 信号強度=αExp(-β×フレーム数)+γ に近似された。 しかし、その減衰の速さβと程度αは各状態で異なった。すなわち、βは対照時に比してDIP投与によって減少し、冠狭窄によって増加した。一方、αはDIP投与により減少し、冠狭窄により増加した。 そこで、1/βと、1/αを心筋内血液通過速度の指標とすると、同時に施行したマイクロスフェア法による心筋血流量(MBF_<MS>)と中等度の強さの正の相関を示した。さらにα+γを心筋内血管容積とし、これと、心筋内血流速度の積、(α+γ)/βおよび(α+γ)/αを血流量の指標とすると、MBF_<MS>との間にさらに良好な相関を示した。 さらに本指標を用いて、臨床例において高度有意冠狭窄の診断が可能か否か検討した。すなわち、ATPの投与前後でレボビストを持続静注しつつ、ハーモニックパワードプラ法を用いて左室長軸像を記録しながら10心拍同期から毎心拍同期にパルス間隔を短縮した。信号強度は動物実験におけると同様に減衰し、同様の指標を得た。狭窄率90%以上の灌流域では、βおよびαが増大し、同時にα+γも低下した。すなわち、狭窄領域では、心筋内血流速度が低下し、また血管容積も低下、さらに、それらの積で与えられる血流量としても低下していることが示され、これによって高度冠狭窄を診断できる可能性が示された。
|