HMG-CoA還元酵素阻害剤(statin)のコレステロール低下作用以外の血管生物学的好影響として、知管内皮細胞のeNOS活性の上昇を挙げることができる。cerivastatinはGTP cyclohydrolaseI (GTPCH)およびeNOSのmRNAレベルを上昇させた。このとき細胞内BH4濃度はcerivastatinの濃度依存的に上昇した。また、cerivastatinは細胞内BH2(+bioptehn)の濃度にはほぼ変化を与えずBH4濃度を上昇させ、BH4/BH2の明らかな上昇が認められた。cerivasatatinのmRNAのstabilityに対する検討では、GTPCH mRNAはstatinの有無に関わらず約1.5時間の半減期で減少したが、eNOS mRANはstatin存在下でその安定化が認められた。TNFαによってGTPCH mRNAは強く誘導され、eNOS mRNAは減少するが、cerivastatinは両mRNAレベルをupregulateした。血管内皮細胞においてstatinはGTPCH mRNA誘導を介してBH4レベルを上昇させ、eNOSによるNO産生に好ましい条件を与えると考えられた。 血管平滑筋細胞(VSMC)のNO産生に外因性に添加したbiopterinがどのようにNOSのcofactorとして利用されていくかを検討するために、VSMCをGTPCHの特異的inhibitorであるdigminohydroxypyrimidine (DAHP)存在下で、LPS/IFN-γ刺激下で培養しinactiveなiNOSを誘導し、然の後に、BH4あるいはそのprecurcerとしてBH2、sepiapterin (SEP)を含むDAHP添加培地に交換し、その後24hのNO産生を検討した。SEP、BH2、およびBH4は濃度依存的にNO産生を引き起こした(SEP>BH2>)BH4)。外因性に投与されたbiopterinはsalvagepathwayを経てBH4として有効に利用される。BH4自身も直接吸収されconfactorとして機能しうるが、confactorとしての効率は不良であった。
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