研究課題/領域番号 |
12670710
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
出石 宗仁 福岡大学, 医学部, 助教授 (20131807)
|
研究分担者 |
熊谷 浩一郎 福岡大学, 医学部, 講師 (10248510)
朔 啓二郎 福岡大学, 医学部, 教授 (40183371)
|
キーワード | 心筋虚血 / アンジオテンシン / 虚血 / 再灌流 / 再灌流不整脈 / アポトーシス / 心筋梗塞 |
研究概要 |
1.ラット生体位心における虚血/再灌流後の不整脈出現に対するレニン・アンジオテンシン系抑制薬の影響について 5分間の虚血+30分間の再灌流中の心室頻拍、心室細動の出現はAT1受容体拮抗薬、ACE阻害薬により抑制された。ACE阻害薬による抑制効果はブラジキニン拮抗薬併用でも不変であった。 2.ラット生体位心における虚血/再灌流後のアポトーシス細胞の出現と心筋梗塞巣の大きさに対するレニン・アンジオテンシン系抑制薬の影響について 45分間の虚血と120分の再灌流後、心筋のアポトーシス出現、梗塞巣の何れもAT1受容体拮抗薬により促進され、AT2受容体拮抗薬により抑制された。アンジオテンシンIIはAT2受容体を介して心筋障害性に作用していると考えられ、その機序にErkの活性化の関与が示唆された。ACE阻害薬にもアポとーシス、心筋梗塞抑制効果が見られたが、この作用はブラジキニン拮抗薬で阻害されたことから、ACE阻害によるブラジキニン系活性化が主因と考えられた。 以上の結果、アンジオテンシンIIは短時間虚血後の再灌流不整脈の発生をAT1受容体を介して促進するが、心筋梗塞巣の進展にはAT1受容体を介して抑制的に、AT2受容体を介して促進的に作用していると考えられた。
|