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2000 年度 実績報告書

心筋症筋細胞異常のサルコグリカン機能解析からの解明

研究課題

研究課題/領域番号 12670718
研究機関国立循環器病センター

研究代表者

岩田 裕子  国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室員 (80171908)

キーワード心筋症 / サルコグリカン / ジストロフィー / チャネル / Ca代謝
研究概要

BIO14.6心筋症ハムスターにおける心筋症の発症機序をさらに検討するため、δ-SG欠損細胞としてBIO14.6心筋症ハムスター骨格筋細胞(BIO14.6 myotube)を用いて筋細胞壊死の原因となるイオン代謝異常の有無を検討した。
正常型、心筋症ハムスターそれぞれのgastrocnemiusからmyoblastを調製し、4-5日間分化させたmyotubeを実験に用いた。Cell-attached modeのパッチクランプ測定等電気生理学的手法によりチャネル活性を測定した。ピペットによる吸引でpositive,negative pressuresを加えてストレッチの効果を検討した。
BIO myotubeでは、無刺激時においてもCa^<2+>-permeableな非特異性カチオンチャネルが活性化状態にあり、正常な細胞に比べてその開口率は約4倍増加していた。Ba^<2+>をチャージキャリアとした場合のシングルチャネルコンダクタンスは20pSであった。チャネルキネティックスの解析より、BIO myotubeのチャネルは正常な細胞に比べてopen durationが長くclose durationが短い特性を有し、開口頻度が高いことが判明した。このチャネルはpressure刺激によるストレッチに反応して活性化され,ストレッチチャネルの阻害薬ガドリニウム(5μM以上)処理で抑制された。ストレッチに対する感受性はBIO myotubeで上昇していた。さらにこのチャネル活性はアクチンフィラメントを壊すサイトカラシンD処理により、正常およびBIO14.6 myotubeとも上昇した。BIO14.6 myotubeでは、今回明らかにしたストレッチで開く非特異的カチオンチャンネル活性の増大に起因すると思われるCa取り込み量が正常細胞に比べて増加していた。以上の結果より、このチャネルの活性制御に、δ-SGを含むDGCおよびアクチンcytoskeleton等の膜裏打ち細胞骨格系蛋白質が重要な働きをしていることが示唆された。このチャネルを通してのカルシウム流入増加により筋細胞壊死が引き起こされる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 岩田裕子: "Stretch-activated cation-permeable channels are activated in cultured myotubes from skeletal muscle of sarcoglycan deficient hamster."Am.J.Phys.. (2001)

  • [文献書誌] 岩田裕子: "Stretch-induced cell damage in sarcoglycan-deficient myotubes."Pflugers Archiv. (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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