• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

Prader-Willi症候群における刷り込み遺伝子再活性化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12670719
研究機関北海道大学

研究代表者

斉藤 伸治  北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (00281824)

研究分担者 藤枝 憲二  北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (60173407)
キーワードProder-Willi症候群 / ゲノム刷り込み現象 / DNAメチル化 / ヒストンアセチル化
研究概要

Prader-Willi症候群(PWS)責任領域であるヒト15番染色体q11-q13に位置する刷り込み遺伝子の再活性化の可能性を検討するために、PWS患者および対照から樹立したリンパ芽球様細胞株を用いて実験を行った。薬剤としてDNAメチル化阻害剤として5-azadeoxycytidine(5-azadC)、ヒストン脱アセチル化阻害剤としてtrichostatin A(TSA)を用いて、細胞株を処理し、その前後で15q11-q13に位置する刷り込み遺伝子の発現の変化を観察した。その結果、代表的な刷り込み遺伝子であるSNURF-SNRPNはTSAでは再活性化を受けないが、5-azadCでは再活性化されることを見い出した。この、再活性化の分子機構を検討するために、さらに、詳しい実験を行い、薬剤投与前後における、SNURF-SNRPN遺伝子の状態を検討した。その結果、5-azadC投与により、プロモーター領域のDNAメチル化レベルが低下することに加えて、ヒストンアセチル化レベルが増加することを見い出した。このことは、15q11-q13における刷り込み遺伝子の発現調節において、DNAメチル化とヒストンアセチル化が関連して作用していることを示す。これらの結果は刷り込み遺伝子が薬剤により再活性化されることを直接証明し、PWSにおける薬物治療の可能性を示した点で、重要である。
さらに、DNAメチル化とヒストンアセチル化との関連を知るために、SNURF-SNRPN遺伝子でのヒストンアセチル化の状態を詳細に検討した。その結果、刷り込み遺伝子におけるヒストンアセチル化の親由来による違いはプロモーター領域に限局することを世界に先駆けて見い出した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Saitoh S, et al.: "Oculocutaneous albinism type 2 with a P gene missense mutation in a patient with Angelman syndrome."J Med Genet. 37. 392-394 (2000)

  • [文献書誌] Saitoh S: "Parent-of-origin specific histone acetylation and reactivation of a key imprinted gene locus in Prader-Willi syndrome."Am J Hum Genet. 66. 1958-1962 (2000)

  • [文献書誌] Wada T, et al.: "Molecular genetic study of Japanese patients with X-linked α-thalassemia/mental retardation syndrome (ATR-X) ."Am J Med Genet. 94. 242-248 (2000)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi