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2000 年度 実績報告書

ファンコニ・ビッケル症候群の病態解明:ヘテロ保因者が腎性糖尿を呈する可能性

研究課題

研究課題/領域番号 12670722
研究機関東北大学

研究代表者

大浦 敏博  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10176828)

研究分担者 呉 繁夫  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10205221)
根東 義明  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00221250)
キーワードファンコニービッケル症候群 / 糖原病XI型 / ドミナントネガテイブ効果 / 腎性糖尿 / トランスジェニックマウス / GLUT2
研究概要

今年度はまずFanconi-Bickel症候群3家系のGLUT2遺伝子解析を行った。また家族内のヘテロ接合と腎性糖尿の関係をOGTTにて検討したのであわせて報告する。遺伝子解析はゲノムDNAよりGLUT2遺伝子の11エクソンを各々PCRで増幅し、ダイレクトシークエンス法にて塩基配列を決定した。患者1にはエクソン9に423番目のValがGluとなる変異がホモ接合でみられた(V423E)。患者2にはイントロン2のスプライスアクセプター部位のagがggとなる変異がホモ接合でみられた(IVS2-2A→G)。患者3はエクソン6のストップコドンとなるQ287X変異と、エクソン8のL389P変異の複合ヘテロ接合体であった。症例1の父、母、兄(いずれもV423Eのヘテロ接合体)、症例3の父(Q287Xのヘテロ接合体)、母(L389Pのヘテロ接合体)にOGTTをおこなった。血糖のパターンは症例1の母が境界域だったほかは、正常であった。症例1の父、母、兄、症例3の母に負荷後尿糖が認められた。症例3の父は尿糖陰性であった。今回報告した変異はいずれも各家系に固有のものであり、共通変異は存在しなかった。またミスセンス変異のヘテロ接合体に腎性糖尿が認められた。これより腎性糖尿の発症にGLUT2のドミナントネガティブ変異の関与が示唆された。次に、V423E変異によるドミナントネガティブ効果をトランスジェニックマウスの系を用いて証明する為CAGプロモーター、loxP、DsRed、EGFP配列を含んだプラスミドベクターに変異ヒトGLUT2cDNA(V423E、nt1580T→A)を組込んだベクターを構築した。C57BLマウス受精卵に上記ベクターを顕微注入し、受精卵を偽妊娠雌マウスに移植する。得られたトランスジェニックマウスをCAG-Cre遺伝子を持つマウスとmatingすることにより変異ヒトGLUT2を発現させる計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Osamu Sakamoto,Eishin Ogawa,Toshihiro Ohura, et al: "Mutation analysis of the GLUT2 gene in patients with Fanconi-Bickel syndrome."Pediatric Research. 48. 586-589 (2000)

  • [文献書誌] 大浦敏博,坂本修,小川英伸 他: "ガラクトース血症マス・スクリーニングを契機に発見されたFanconi-Bickel症候群の一例."日本マス・スクリーニング学会誌. 10巻. 41-46 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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