研究概要 |
視床下部に発現する性腺系活性化に関与する遺伝子群を検索する目的で、性腺に関して活性化を示す視床下部・下垂体系を持つマウスモデル(HPGAM : Hypothalamic pituitary gonadal activated mouse)を雄マウスに除睾術(castration)を行い作成した。HPGAMでは正常マウス(NM : Normal mouse)に比べて下垂体におけるLH(Luteinizing hormone)の発現が冗進していることを以下の方法で確認した。すなわちRNA protection assay法を用いてLH mRNAの下垂体における発現量がNMに比べてHPGAMでは有意に増加していることを確認した。次に視床下部に発現していて性腺系の発達に関与している2つのオーファンレセプターDAX-1とSF-1に関してその遺伝子発現をmRNAのレベルでHPGAMとNMで比較検討した。その結果、DAX-1に関してはその発現量に差は認めなかった。SF-1に関しては現在も検討中である。当初、HPGAMとNMの視床下部での発現遺伝子の違いを、defferential display法にて検討を予定していたが、現在、Amsterdam, AMC, Pediatric EndocrinologyのRis-Stalpers教授との共同研究で先天性甲状腺腫の原因遺伝子検索に用いているSAGE(Serial Analysis of Gene Expression)法をこの実験に適用できないかどうか検討中であり共同研究を組織中である。
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