研究概要 |
【encircled 1】RSVのG蛋白のアミノ酸組成に基づいて、隣接するペプチドと3つのアミノ酸残基をずらした16merのオーバーラッピングペプチドを95個作成した。これらの合成ペプチド刺激による末梢血単核球中のガンマインターフェロン産生細胞数をELISPOTにて解析した。ガンマインターフェロン産生細胞は抗HLA-DR抗体の存在下でほぼ完全に抑制されたことからRSV G蛋白に対するCD4陽性T細胞応答は主としてHLA-DR分子を抗原提示分子とすることが判明した。HLA-DRB1^*0405を有する個体では、アミノ酸残基161-175の合成ペプチドに反応してガンマインターフェロン産生細胞が検出されたことから、このペプチド中にHLA-DRB1^*0405拘束性のエピトープが存在することが明らかとなった。また他のHLA-DR分子を抗原提示分子とする個体においてもRSV G蛋白の中央部分にエピトープが存在することが示唆された。 【encircled 2】ウイルス除去に一義的に重要な役割を担うCD8陽性T細胞が認識するエピトープを明らかにするために、多くの日本人が有するHLAクラスI分子であるHLA-A0201に対する親和力が強いと予想されるbinding motifを有する部位をコンピュータープログラムによって検索し,9merペプチドを作成した。これらの合成RSV G蛋白由来ペプチドがHLA-A0201を発現した抗原提示細胞に結合することをin vitroで確認した。ガンマインターフェロン産生細胞数を指標に、中等度から強い結合能が確認されたペプチドが実際にエピトープであるかいなかを解析した。その結果、3個の合成ペプチドから1個のHLA-A0201拘束性エピトープを同定した。
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