研究概要 |
研究目的 遺伝性ムコ多糖症に対する安全で有効な治療法の開発を目的として、本症の分子病態解析を行う。本研究においては原因酵素であるsulfatase蛋白質の三次元構造を解析し、構造と機能の関連性および遺伝子変異と臨床表現型との相関性を明らかにする。 研究結果 (1)ムコ多糖症II型(Hunter病)の原因酵素iduronate-2-sulfatase(IDS)について発現ベクターpCXNにwildと16種類のIDS点変異遺伝子を挿入しCHO細胞にトランスフェクションした。G418選択培地で培養してstableなcell lineを作成し、発現蛋白質の酵素活性測定とWestern blot解析を行った。患者細胞や低発現系では変異酵素の活性は感度以下で検出されず、重症型と軽症型の変異の機能的差異は不明であったが、今回のstable発現系で明確な結果が得られた。重症型変異(5種類)はIDS酵素活性は検出されなかった。Western blotでは75kDの前駆体のみが確認された。軽症・中間型変異(5種類)はwildの約0.1-2%の活性が検出された。Western blotではQ531Xは73kDの前駆体が、他の変異は75kDの前駆体、62kDの中間体、僅かに45kD,55kDの成熟体が確認された。 (2)IDS3次元構造モデルの構築:4S、ASAとGALNSの構造を基にhomology modeling法にてIDSの3次元構造モデルの構築を試みた。全体構造は4S、ASA、GALNSと同様に2つのドメインから形成され、N末端の大きなドメインはα/β構造を示し、10本のβシートがαへリックスにサンドイッチ状に狭まれていた。C末端の小さなドメインは4本の逆平行βシートとそれに直角に配置するαへリックスから構成されていた。さらに側鎖の解析を進めている。
|