研究概要 |
研究目的 遺伝性ムコ多糖症に対する安全で有効な治療法の開発を目的として、本症の分子病態解析を行う。本研究においては原因酵素であるSulfatase蛋白質の三次元構造を解析し、構造と機能の関連性および遺伝子変異と臨床表現型との相関性を明らかにする。 研究結果 1.ムコ多糖症II型(Hunter病)の原因酵素iduronate-2-sulfatase(IDS)について、16種類のIDS点変異を発現ベクターに挿入してCHO細胞にトランスフェクションし、stableなcell lineを作成して発現蛋白質の生化学的解析を行った。重症型と軽症型の変異の機能的差異に明確な結果が得られた。重症型変異はIDS酵素活性は検出されず、軽症・中間型変異では僅かに45kD,55kDの成熟体が確認され、残存活性も確認された。 2.ムコ多糖症II型原因酵素IDSの3次元構造モデルを4S、ASAとGALNSの構造を基にhomology modeling法にて構築した。立体構造と変異酵素体の生化学的解析からさらなる病態解析を進めている。
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