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2000 年度 実績報告書

ウイルス性脳炎・脳症の病態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12670745
研究機関名古屋大学

研究代表者

森島 恒雄  名古屋大学, 医学部, 教授 (90157892)

研究分担者 木村 宏  名古屋大学, 医学部, 助手 (30303621)
キーワード急性脳炎 / 急性脳症 / インフルエンザ脳炎 / インフルエンザ脳症 / 単純ヘルペス脳炎 / E-セレクチン / HHV-6 / サイトカイン
研究概要

ウイルス性脳炎・脳症の病態に関して今年度、以下の成績を得た。
1.単純ヘルペス脳炎(herpes simplex encephalitis,HSE)において再発のメカニズムを調べたところ、アシクロビル(ACV)投与において総投与量および投与期間が短い症例で再発を有意に起こしやすいことが判明した。また、この研究の過程でHSVDNA量を定量的PCR法で測定することができるようになった。今後、髄液中のHSVDNAを測定することにより、更に新たな解析が可能となろう。
2.インフルエンザ脳炎・脳症において本症が世界の中でも、特に日本において多数の患者が発生していることを報告した。また、ウイルス学的および病理学的には、本症が中枢神経系へのウイルスの直接の侵襲ではなく、サイトカインや血管内皮の障害に基づく著明な脳浮腫や出血傾向(DIC)による多臓器不全が根本の病態と考えられた。現在、脳症重症例・脳症軽症例・熱性けいれん例・発熱のみの例の各インフルエンザの病態について、TNF-α、IL-1β、IL-6、E-セレクチン、トロンボモジュリンなどの測定を行っていく。
3.現在までの検討では、HHV-6による脳症は前述のインフルエンザ脳炎・脳症に非常に近い病態であることが判明しつつある。すなわち感染病理学的にはウイルスは神経細胞内では増殖せず、血管内皮にウイルス抗原が認められる。
上記の成績から、現在重症例において治療が困難なインフルエンザ脳炎・脳症における治療法としてステロイドパルス療法や大量γグロブリン療法などを抗ウイルス剤と併用することにより、予後が改善できるかどうかについて、検討を続けている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kasai T.,Togashi M.and Morishima T.: "Encephalopathy associated with influenza epidemics."Lancet. 355. 1558-9 (2000)

  • [文献書誌] 森島恒雄: "αヘルペスウイルスの本邦臨床統計"日本臨床. 58(4). 845-50 (2000)

  • [文献書誌] Kimura H.,Kido S.,Ozaki T.,Tanaka N.,Ito Y.,Williams RK,and Morishima T.: "Comparison of quantitations of viral load in varicella and zoster."J.Clin.Microbilol.. 38(6). 2447-9 (2000)

  • [文献書誌] Ito Y.,Kimura H.,Yabuta Y.,Ando Y.,Murakami T.,Shiomi M.and Morishima T.: "Exacerbation of herpes simplex encephalitis after successful treatment with acyclovir."Clin.Infect.Dis.. 30(1). 185-7 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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