研究概要 |
1.凍結CD34陰性分画細胞からの単球由来樹状細胞の分離調整。 -135℃の電気冷凍庫に3-4年凍結保存していたCD34陰性分画細胞を解凍し、autoMACS(Miltenyi Biotec社)を用いて単球を分離した。AutoMACSの導入により短時間で効率よく純度の高い(90%以上)単球が得られ、viabilityも90%以上であった。この単球にGM-CSFとIL-4を加えて7-14日間培養し未熟樹状細胞を得た。未熟樹状細胞の評価はCD1a, CD11c, CD14, CD80, CD86, CD123, CD206などの抗体を用いて評価した。培養期間を長くすることでCD14陰性でCD206陽性の細胞が得られ分離効率も高まった。 2.新鮮臍帯血からの単球由来樹状細胞の分離調整。 1.と同様の方法で新鮮臍帯血から単球を分離し、GM-CSFとIL-4を加えて7-14日間培養し未熟樹状細胞を得た。ほぼ成人単球と同様の表現型を呈する未熟樹状細胞が得られたが、骨髄系由来のCD123陽性が比較的多く、CD11c発現が少ない印象があったが、例数が少ないため有意差は認められなかった。今後臍帯血と成人単球由来の樹状細胞の違いを表現型だけでなく、機能的にも解析する必要がある。 3.樹状細胞の移動について。 Transwell培養系を用いて、上記で得られた樹状細胞の遊走能を検討した。遊走因子としてIL-8などのケモカインを中心に検討したが、実験に用いた細胞数が少ないため、移動した細胞の測定法によって値か定まらず、有意差は得られなかった。今後フローサイトメーターを用いた方法を検討する。
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