研究概要 |
1,ラットとヒトのGlia Maturation Factor-beta (GMFB)および-gamma (GMFG)リコンビナント蛋白の発現と特異的抗体の作製。ラットとヒトのGMFB、GMFG cDNAより、リコンビナントタンパクを作成した。これらを各々ウサギに免疫しポリクローナル抗体を得た。 2,ノーザンブロット、ウエスタンブロットによる臓器発現の検討。ラット臓器におけるGMFB、GMFGの発現を検討するためにノーザンブロットおよびウエスタンブロットを行った。GMFBは、脳に特に多く、他の臓器にも一様に発現していた。一方、GMFGは、胸腺、脾臓、睾丸に多く発現していた。 3,Enzyme Immunoassay (EIA)系の確立。ラットGMFB、GMFGに対する特異的抗体を用いてサンドイッチ法によるEIA系を作成した。本法では、ラットGMFB、GMFG間での交差反応はほとんど検出されなかった。ヒトの血清中、ラット臓器中のGMFB、GMFGの濃度が測定できる感度を有することを確認した。本EIAにより、ラット各種臓器中のGMFB、GMFGの濃度を測定したところ、GMFBは、中枢神経でもっとも発現が高く、それ以外に、脾臓、胸腺、肺、腸管にも分布していた。一方、GMFGは、胸腺での発現が圧倒的に高く、ついで、脾臓に発現が高かった。免疫組織染色を行ったところ、GMFBは、神経および上皮系の細胞に分布していたが、GMFGはリンパ球やマクロファージといった血球系に発現していた。 4,GMFG genomic DNAの解析。ヒト及びマウスGMFGのgenomic DNAをクローニングし、塩基配列を決定した。その結果、ヒトおよびマウスともGMFGは7つのexonより構成されることが判明した。
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