研究課題/領域番号 |
12670769
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
白石 公 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (80295659)
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研究分担者 |
安井 寛 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60210241)
浜岡 建城 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (60189602)
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キーワード | 先天性心奇形 / 心ループ / 低分子G蛋白質 / 筋原線維 |
研究概要 |
我々は心臓初期形態形成の異常により生じる重篤な心疾患の病因を知る目的で、共焦点レーザ顕微鏡を用いて心臓初期発生(loop形成期)における筋原線維形成の3次元的観察をwhole-mountの心臓を用いて行ってきた。その結果、1.筋原線維の形成は心loopの形成と一致して進行する、2.筋原線維は形成より細胞境界を越えて連なり、2層ある心筋細胞の外層ではrandomに、内層では心臓管の円周方向に一致して配列する、3.これら筋原繊維の配列にはcell-cell、cell-matrix adhesionが重要である、以上を報告してきた。今回は、actin線維の重合に重要な役割を果たすことが近年明かとなってきた、低分子G蛋白質(Rho)の筋原線維の形成期における発現およびその果たす機能について検討した。その結果RhoA,RhoBは、マウス胎仔の形成初期の筋原線維においてZ-bandに一致して、また発生が進むとM-bandに一致して認められることが判明した。マウス胎仔の培養心筋細胞にRhoのinhibitorであるC3およびdominant negative sequenceを持つplasmidをtransfectすると、これらの心筋細胞において筋原線維の形成は完全に抑制された。すなわちRhoは心筋細胞の筋原線維の形成にcriticalな役割を果たしている可能性が示唆された。またRhoが心臓の形態形成にどのように係わっているかのかを知る目的で、鶏胚心に近年開発されたmicro electroporation machineを用いてC3およびdominantnegativesをtransfectし、心臓の形態にどのような変化が見られるかを現在検討中である。
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