• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

哺乳動物における血液凝固第VIII因子の進化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12670771
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

田中 一郎  奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00201616)

研究分担者 中 宏之  奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (40281761)
キーワード第VIII因子 / 哺乳動物
研究概要

各種哺乳動物の血液凝固能の検討を行った。サル、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、マウス、シャチから得たクエン酸加血漿のプロトロンビン時間(PT)および活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を測定したところ、ヒトに比しイヌおよびネコはPTおよびAPTTとも著明に短縮しており、ウシはPTおよびAPTTとも延長していた。サル、マウス、シャチのPTはヒトとほぼ同等であったが、APTTはサルおよびマウスで軽度短縮し、シャチでは著明に延長していた。以上から、外因系凝固能はヒトに比しイヌおよびネコで亢進し、サル、マウス、シャチではヒトと同等、ウシでは低下していることが判明した。一方、内因系凝固能はヒトに比しイヌおよびネコで著明に亢進し、サルおよびマウスでは軽度亢進、ウシおよびシャチではヒトに比し著明に低下していることが明らかとなった。次に各種哺乳動物の血漿中の各凝固因子活性を測定した。ヒト第VIII因子欠乏血漿を用いた凝固一段法では第VIII因子凝固活性はヒトに比して1.5〜20倍といずれも高値を呈した。また合成発色基質を用いた第VIII因子の活性型第X因子生成能も2〜15倍と同様に高値を呈した。以下、プロトロンビンは0.4〜1.3倍、第V因子は1.4〜12倍、第VII因子は0.13〜9倍、第IX因子は0.35〜3.2倍、第X因子は0.8〜3.8倍、第XI因子は0.3〜16倍、第XII因子は1〜2.2倍(シャチのみ活性は検出されず)であった。これらの結果を踏まえ、認識エピトープの明らかな抗ヒト第VIII因子モノクローナル抗体および同種抗体を用いて各種哺乳動物における第VIII因子の抗原性について比較検討する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Nogami,I.Taraka 他7名: "Factor VIII C2 domain contains the thrombin-binding site responsible for thrombin-catalygecl cleavage at Arg^<1698>"Journal of Biological Chemistry. 275(33). 25774-25780 (2000)

  • [文献書誌] K.Nogami,I.Taraka 他9名: "Roll of factor VIII C2 domain in factor VIII binding to factor Xa"Journal of Biological Chemistry. 274(43). 31000-31007 (1999)

  • [文献書誌] K.Nogami,I.Taraka 他9名: "Identification of a factor VIII peptide, residues 2315-2330, which neutralizes human factor VIII C2 Inhibition alloantibodies"British Journal of Haematology. 107. 196-203 (1999)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi