Neonatal SIDS 7例及びコントロール3例の脳幹のパラフィン切片について、アポトーシス細胞の可視化の為にTerminal Deoxynucleotidyl Transferase mediated dUTP nick end labelling(TUNEL)染色を、アポトーシス抑制の働きを可視化するためにbcl-2の免疫組織化学を施行した.脳幹の呼吸関連諸核(孤束核、弓状核等)及び覚醒反応関連諸核(青斑核、縫線核、中心灰白質等)において、グリア及びニューロンについて、TUNEL陽性細胞及びbcl-2陽性細胞を半定量化した.TUNEL陽性細胞については、新生児SIDSにおいてわずかな増加が観察された.Bcl-2染色においては、新生児SIDS事例及びコントロール事例において、いずれも明確な陽性細胞は認められなかった.更に、新生児期以外のSIDS事例26事例の脳幹におけるTUNEL染色の結果と比較した場合、新生児SIDS及び新生児コントロール事例の双方においてTUNEL陽性細胞は明らかにより増加していた.今回収集されたコントロール事例は心血管奇形等低酸素状態が若干かぶっているものが散見された為、両群の相違が曖昧化し、両群において低酸素性アポトーシスが増加した結果を得た可能性が考えられるが、新生児死亡例におけるコントロールを求める場合このような事例を除外すると殆ど事例が得られない結果となる.
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