研究課題/領域番号 |
12670794
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
谷澤 隆邦 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10126534)
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研究分担者 |
前 寛 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (50309457)
大島 圭介 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90268540)
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キーワード | 腎線維化 / 遺伝子治療 / HGF / 一側尿管結紮ラット |
研究概要 |
平成13年度は下記の実験を行い、週1回の遺伝子治療で尿細管・間質の不可逆性変化である線維化を抑制する結果が得られた。 【対象と方法】 1.腎尿細管間質線維化モデルの作成 一側尿管結紮ラットを作成し、腎機能、腎組織を結紮後2週と4週で検索する。 2.TGF-β、HGFの局在と遺伝子発現の検索 抗TGF-β抗体、抗HGF抗体、in situ hybridizationを用いて組織内におけるTGF-β、HGFのmRNAの発現とその局在についてPCR法を用いて確認する。同時に、HGFのレセプターであるc-metの発現も確認し、成長因子であるHGFの作用機序を推測する。 3.HGF遺伝子治療 ヒトHGF遺伝子をsendaiウイルス(HVJ)の膜蛋白をあわせリポゾームを使うHVJ-リポゾーム法を用いて、一側尿管結紮ラットに週1回、4回筋注する。 【結果】 1.遺伝子治療ラットでは、腎内の内因性ラットHGFとその受容体であるc-metの発現を増加させた。 2.遺伝子治療ラットでは対照群に比し、腎間質の線維化とマクロファージの浸潤が有意に抑制された。 3.結紮後2週、とくに4週後では尿細管細胞の増殖が亢進し、アポトーシスが抑制された。 【結論】 HGF遺伝子治療は慢性閉塞性腎症において尿細管細胞の生存率を高め、その線維化の進行を抑制する。
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