研究課題/領域番号 |
12670799
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
神薗 慎太郎 久留米大学, 医学部, 助手 (30261077)
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研究分担者 |
箕口 滋 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (60322757)
加藤 裕久 久留米大学, 医学部, 教授 (30080724)
吉村 昭彦 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (90182815)
加藤 玲子 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手
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キーワード | チロシンキナーゼ / JAK / STAT / CIS / ノックアウトマウス / サイトカイン / チロシンりん酸化 / キナーゼ抑制因子 |
研究概要 |
サイトカインは受容体の細胞内ドメインに会合するJAKチロシンキナーゼを介して細胞内にシグナルを伝える。STATはそのシグナルを核へ伝える重要な転写因子のひとつである。われわれはSTAT5の負のフィードバック調節因子であるCIS1,JAKキナーゼの阻害因子であるJABをクローニング、さらにこれらを含むCISファミリーの存在を明らかにした。すでに培養細胞を用いて、CISは受容体に結合することでSTAT5を抑制し、JABおよびCIS3は直接JAKのチロシンキナーゼドメインに会合しその活性を抑制することを明らかにしてきた。 本研究ではJABによる活性化型チロシンキナーゼがん遺伝子TEL-JAK2の抑制機構について研究を行った。TEL/JAK2をstableにtransfectionしIL-3非依存性に増殖するBaF-TEL/JAK2にJABをtransfectionすると死滅した。このときC末側のSOCS-boxが重要な働きをしていることが明かとなった。pulse-chase実験によりJABによるTEL-JAK2の分解の促進を認めた。SOCS-boxを欠く変異JABではTEL-JAK2の分解は促進せず、SOCS boxがTEL-JAK2の分解に必要なことが示唆された。これらよりJABによるTEL-JAK2の活性化の抑制には、JH1へのJABの直接会合による抑制だけでなく、TEL-JAK2の分解も関わっていることが示唆された。TEL-JAK2の分解はプロテアゾーム阻害剤によって抑制され、またJABを共発現することでTEL-JAK2のユビキチン化が促進された。以上の結果よりJABによるTEL-JAK2の分解促進にユビキチン、プロテアソーム分解系が関わっていることが明らかになった。またSOCS-boxにElonginB,C-Cu12複合体が会合することも見いだした。本研究によってがん遺伝子産物を特異的に除去する方法がはじめて明らかになった。
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