研究概要 |
アトピー性皮膚炎患者末梢血単球、また、それらにGM-CSF,IL-4,あるいは更にTGF-b1を加えるこのにより得られる真皮樹状細胞、ランゲルハンス細胞様細胞に、実際にそれらの細胞が生体内で遭遇する可能性のある種々の刺激、1)細菌由来の抗原、スーパー抗原、lipopolysaccharide、真菌抗原2)TNF-a、IL-1bなどのサイトカイン刺激、3)CD40 ligandを介する刺激を加えて、それらの細胞がどの様な変化を示すかをCD23,co-stimulatory moleculesの発現、IL-10,IL-12などのサイトカインの分泌を検討し、それらの変化を健常人コントロールと比較した。その結果、 a.アトピー性皮膚炎患者単球は、健常人対象と比較して、IL-4刺激に対するCD23分子の発現、TNF-α/IL-1βおよびSEA刺激に対するCD54分子の発現が増強していた。 b.一方、アトピー性皮膚炎患者単球では、健常人に認められTNF-α/IL-1β刺激に対するCD86分子の発現増強が観察されなかった。 c.アトピー性皮膚炎患者由来の樹状細胞においては、抗CD40抗体の刺激によるCD86分子の発現増強あるいはCD23分子の発現抑制効果が、健常人に比して低下していた。 d.単球よりのサイトカインの産生では、LPS刺激にともなうIL-10の産生が亢進し、また、IL-1βの産生は低下していた。 e.一方、IL-12p40の産生は、アトピー性皮膚炎患者の単球は、種々の刺激に対して、正常人対象に比して低下していた。 を明らかにした。
|