表皮培養細胞・メラノサイト・線維芽細胞および乳房外パジェット病を含む各種皮膚腫瘍の凍結組織からRNAを抽出した。抽出したRNAから逆転者反応でcDNAを作製し、PCR反応を用いてメラノコルチン5レセプター(MC5-R)mRNAの発現を検討した。その結果、正常表皮および一部の悪性黒色腫・乳房外パジェツト病の腫瘍細胞がMC5-R mRNAを発現していることを明らかにした。また、乳房外パジェット病のリンパ節転移からアンドロゲンレセプター(AR) mRNAを発現していることを示した。 また、各種皮膚腫瘍をMC5-RおよびARに対する抗体を用いて免疫染色したところ、乳房外パジェット病の腫瘍細胞がMC5-R蛋白を強く発現していること、正常皮膚の外分泌腺および乳房外パジェット病の腫瘍細胞がARを発現していることを明らかにし。た。 次いで各種皮膚疾患皮膚のパラフイン包埋組織からmicro dissection法により腺組織のみを分離し、フェノールクロロフォルム法でDNAを精製・抽出した。メラノコルチン5レセプター(MC5-R)のコーディング領域を特異プライマーによりPCR反応で増幅し、ダイレクトシーケンスにより変異の有無を解析したところ、Phc209Leuが各種サンプルから検出されたが、コントロールにも同様の変異が検出されたので、polymorphismと考えられた。
|