研究概要 |
今年度の計画に従って、以下を行ってきた。 (1)悪性黒色腫患者病理組織標本を用いた免疫組織化学検討:現在当科で所持している患者病理組織標本を用い、免疫組織学的にTUNEL法によるアポトーシス細胞、p53,bcl-2などアポトーシス関連遺伝子・蛋白の検出、細胞接着因子の発現について検索し、それぞれの臨床経過・治療時期・治療内容と比較検討した。数例の検討では、有意差は検出されず、RT-PCR法は行っていない。 (2)培養メラノーマ細胞を用いた薬剤感受性試験の検討:各種抗腫瘍剤による生存変化をMTT法で検討する。タモキシフェンでは同様にアポトーシスを誘導し、Annexin法で検出、FACScanで定量化を行った。時間・濃度依存性にアポトーシスが増加した。 (3)細胞骨格の変化の検討:タモキシフェンによるアポトーシスを誘導し、細胞を固定、ビメンチンの発現・形態変化を蛍光抗体法で検出し、濃度・時間依存性に細胞骨格の変化を認めた。 (4)各種接着因子・特異蛋白の定量:手術・化学療法前後の患者血清中のMIA-1,S-100を測定中である。 (5)薬剤耐性細胞株の樹立:シスプラチン(CDDP),タモキシフェン(TAM)などで培養メラノーマ細胞を処理し、耐性細胞株を継代培養中である。 引き続き継続していく予定である。
|