研究概要 |
基礎的研究(1)マウス組織標本を用いた免疫組織化学的検討:sequential bioimmunochemotherapyを行ったマウスの悪性黒色腫病理標本を用いて、アポトーシスの誘導を確認した。(2)メラノーマ細胞を用いた薬剤感受性試験の検討:各種抗腫瘍剤による生存変化を検討した。タモキシフェン(TAM)でアポトーシスを誘導し、Annexin法で検出、FACScanで定量化を行った。時間・濃度依存性に増加した。(3)細胞骨格の変化の解析:TAMによるアポトーシスを誘導し、ビメンチンの発現・形態変化を蛍光抗体法で検出し、濃度・時間依存性に細胞骨格の変化を認めた。しかし、発現の定量的解析に技術的な問題があった。(4)マウスを用いた接着因子発現の検討:動物実験の環境を整えることができず、実施に至らなかった。(5)薬剤耐性遺伝子の検討:多剤耐性関連遺伝子の一つであるMRPの化学療法前後での発現について検討し、8例中6例において化学療法語に発生した腫瘍において増強を検出した。(6)薬剤耐性細胞株の樹立:シスプラチン(CDDP),TAMなどで培養メラノーマ細胞を処理し、耐性細胞株樹立を検討したが一定の性質を得るには至っていない。 臨床的研究(1)悪性黒色腫患者病理組織標本を用いた免疫組織化学的検討:患者病理組織標本を用い、免疫組織学的にアポトーシス細胞、アポトーシス関連遺伝子・蛋白、細胞接着因子の発現について検索し、臨床経過・治療と比較検討した。日光角化症・ボーエン病でも検討しp16,RBの発現異常について報告した。(2)各種接着因子・特異蛋白の定量:手術・化学療法前後の患者血清中のMIA-1を測定中した。(3)化学療法の有用性の検討:悪性黒色腫に対するDAC-Tam療法について、有用性を検討・解析した。 十分な成果を発表することはできませんでしたが、今後も引き続き研鑚を重ねたいと思います。
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