研究概要 |
臨床的にはNarrowband UVB照射により白斑病巣より毛嚢一致性の色素再生が起こることより、白斑の治療において毛嚢のメラノサイトの活性化が重要であることを報告した(第52回日本皮膚科学会中部支部総会、京都、2001、11月3-4日、in preparation)。白斑患者の治療における紫外線ステロイド、健常皮膚移植その他の療法についてのevidence based medicineの立場からreviewを行い、汎発型ではnarrowband UVBが最も有効であり、限局型ではステロイドが最も効果があることを示した(EBM皮膚科、真鍋求、宮地良樹編、文光堂、東京、p259-265,2001)。このように白斑に有効であるnarrowband UVBのメラノサイト活性化についてはケラチノサイトからのGM-CSF産生が関与していることを見い出した(第101回日本皮膚科学会総会報告予定)。またドッキング蛋白の一つであるDok-1が色素細胞の遊走および細胞の接着と伸展に重要な役割を担っていること、またこのカスケードにはrasが関与するがfocal adhesion kinaseは関係がないことをin vitroで明らかにした(Mol Cell Biol,21:5437,2001)。一方、器官培養をした毛包ではDOPA陽性のメラノサイトが出現すること、およびtyrosinaseのmRNAが検出できるようになることを確認した。
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