研究概要 |
抗アレルギー薬の作用機構を分子レベルで明らかにする目的で以下の研究を行い、以下の結果を得た。ウシ脳crude extractを抗アレルギー薬(amlexanox,cromolyn,MY1250,HSR609,olopatadine,epinastine)のdrug-affiny columnにかけたところ、いずれの薬物についても結合タンパク質として、90kDa heat shock protein(HSP90),14-3-3およびS-100 alpha,S-100betaが同定できた。互いに化学構造が異なるにもかかわらず同一のタンパクが結合することから、これらのタンパク質は抗アレルギー作用に関係しているものと考えられる。 14-3-3についての検討では、これらの薬物は14-3-3のC末端に結合し14-3-3の標的タンパク(リン酸化タンパク)との結合を阻害するものと思われる。14-3-3のantagonistは発見されておらず今後14-3-3の細胞機能を解明する上で有力なtoolになるものと思われる。 HSP90alphaについて、wild typeに加えN末端側シャペロンを含むtruncation mutant(N90),C末端側シャペロンを含むtruncation mutant(C90)を発現させ、その各々について薬物結合性、シャペロン活性に及ぼす薬物の効果、steroid receptorとの結合に及ぼす薬物の効果、いわゆるco-chaperonとの結合に及ぼす薬物の効果などについて検討中である。
|