研究概要 |
われわれはHTLV-I tax proviral DNAが腫瘍細胞のみならず汗腺上皮、血管内皮細胞にも認められることをPCR in situ hybridization法、単離した汗腺上皮でのPCR法、サザーンブロット法にて証明した(Am J Pathol、1998;Int J Cancer、1999)。一方、ATLL患者を含めたHTLV-I感染者に乾燥症候群の併発を認めることがある。このことから、HTLV-I感染を受けた汗腺上皮のアポトーシスについて電顕、Tunel法、免疫組織学化学的手法を用いて検討した。その結果汗腺上皮は光顕的にもいわゆる異常角化すなわちアポトーシスを起こしており、このことは電顕的に核クロマチンの凝集、断片化をもって証明され、さらにアポトーシスを起こした細胞の周囲にCD8+細胞の浸潤とTIA-1 cytotoxic moleculeの発現を証明することができた(2^<nd> International Conference of The Mor Kaposi Research Foundation,2000)。現在、皮疹の自然消退との関連についてもさらに検討中である。
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