われわれは現在までHTLV-I tax proviral DNAが腫瘍細胞のみならず汗腺上皮、血管内皮細胞にも認められることを証明した。そしてHTLV-Iの感染を受けた汗腺上皮は光顕的にいわゆる異常角化すなわちアポトーシスを起こしていることが考えられ、これを電顕的、免疫組織学的に証明することができた。 以上のことについてさらにATLL8例、HTLV-Iキャリア4例、健常人3例と症例を増やして検討した結果、光顕的アポトーシスはATLL2/8、HTLV-Iキャリア1/4、健常人0/3に認められ、そこにはいずれもCD8陽性細胞の浸潤がありTIA-1分子の発現が認められる事が解った。一方、HTLV-1感染者には発汗異常をみることも観察され、このことについてはさらに多数例で検討中である。
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