研究概要 |
我々は現在までHTLV-I tax provaral DNAが腫瘍細胞のみならず汗腺上皮、血管上皮細胞にも認められることを証明してきた。そしてHTLV-Iの感染を受けた汗腺上皮は光顕的にいわゆる異常角化即ちアポトーシスを起こしていることが考えられ、これを電顕的、免疫組織化学的に証明することができた。 以上のことについて症例をさらに集めて検討した。 皮膚病変を持つATLL22例、HTLV-Iキャリア8例、ATLL以外の皮膚リンパ腫7例、健常人3例について収集、検討した結果、アポトーシスはATLL 4/22、HTLV-Iキャリア1/8,ATLL以外の皮膚リンパ腫0/7、健常人0/3に認められ,アポトーシスの部にはいずれもCD8陽性T細胞の浸潤がありTIA-1分子の発現が認められることが解った。 これらの結果から汗腺上皮のアポトーシスはHTLV-1を標的にして惹起され、その結果汗腺上皮のアポトーシスが起こることが判明した。今後このアポトーシスの臨床的意義について検討する予定である。
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