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2001 年度 実績報告書

ダリエ病とヘイリーヘイリー病遺伝子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 12670837
研究機関順天堂大学

研究代表者

池田 志斈  順天堂大学, 医学部, 講師 (40193198)

キーワードダリエ病 / ヘイリーヘイリー病 / 遺伝子発現
研究概要

12年度は、正常ヒト器官培養系および培養正常ヒト表皮細胞を用いて、主としてダリエ病遺伝子(ATP2A2)の機能解析を行った。本年度は、ATP2A2とヘイリーヘイリー病遺伝子(ATP2C1)の発現を左右する因子を同定する目的で、種々の刺激を培養正常ヒト表皮細胞に与え、各々の遺伝子発現量の増減について検討した。
その結果、1)UVB(50ml/cm2)の照射後3時間をピークとして、両遺伝子発現は非照射に比較して約30%まで減少した。また2)培養液のカルシウム濃度(細胞外カルシウム濃度)を低(0.08mM)から高(1.9mM)にシフトしたところ、シフト後6時間をピークとして、両遺伝子発現は約300%まで上昇した。さらに、3)IL-6、IL-1、INF-γなどのサイトカインを正常ヒト表皮細胞に添加培養したところ、少なくともIL-6添加により、両遺伝子の発現が低下した。
これらにより、1)両疾患がdominant negative効果ではなく、haploinsufficiency(遺伝子産物の絶対量の不足)によって惹起されること、2)紫外線が、両疾患が夏期に悪化する一因に成り得ること、3)紫外線により、IL-6などのサイトカインが表皮細胞から産生され、そのautocrine効果により両遺伝子発現が低下すること、4)カルシウムを含む何らかの因子により遺伝子発現を増加させ、両疾患を治療する可能性が考えられた。
今後は、両遺伝子のプロモーター領域を詳細に解析し、転写活性部位・抑制部位について明らかにしたい。転写制御に関する情報を明らかにし、転写制御に基づく両疾患の治療法の可能性について検討したい。また転写制御部位の変異により、症状が惹起される症例の有無についても検討したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ikeda S, et al: "Mutations in ATP2C1 in Japanese patients with Hailey-Hailey disease ---"J Invest Dermatol. 117. 1654-1656 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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