研究課題/領域番号 |
12670843
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
溝口 昌子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (30010250)
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研究分担者 |
河 陽子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (10082273)
鹿島 真人 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (50169421)
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キーワード | メラノサイトの分化 / All trans retinoic acid(ATRA) / MITF / PKCα / 悪性黒色腫の治療 / apoptosis / 神経冠由来メラノサイト培養株 |
研究概要 |
All trans retinoic acid(ATRA)がマウス神経冠細胞由来メラノサイト前駆細胞株に及ぼす影響について検討した。このメラノサイト前駆細胞株は当教室で樹立したcell lineで、tyrosinase陰性、DOPA反応陰性の分化段階にとどまる幼弱な細胞であるため、メラノサイトの分化誘導因子を検討するのに最適である。まず、RT-PCR法にてATRAのreceptorであるRAR(retinoic acid receptor)の有無を検討したところ、この細胞はRARα、β、γの発現を認めた。このcell lineにATRAを添加培養したところ、濃度依存性に増殖は抑制された。さらに、この抑制の機序は電顕的観察、TUNEL法、flow cytometryでapoptosisであることが証明された。また、ATRAを添加培養すると、tyrosinase、DOPA反応ともに陽性に変化し、形態学的にも樹枝状に変化した。また、電顕的観察にてstageの進んだmelanosomeの存在が確認された。さらに、RT-PCR法にてtyrosinase mRNAの増幅と、細胞内のPKC(protein kinase C)α、さらにtyrosinaseの転写因子であるMITF(microphthalmia-associated transcription factor)mRNAの増幅が確認された。以上のことから、ATRAはメラノサイト前駆細胞の分化を誘導し、さらにはapoptosisによって増殖が抑制されることが証明された。このことは、悪性黒色腫の治療にretinoic acidによる分化誘導療法が有用となるうる可能性があることを示している。今後はmelanoma cell lineによるATRAの有効性を確認する予定である。
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