1)20歳代の正常ボランテイア6名で呼気・吸気のCTを施行。 また、背臥位・腹臥位でCT施行した。その結果、重力方向の高さの違いによるCT値の変化は体位の違いによっても同様に観察され、体位に違いによる値の変化は一定で、背臥位での評価のみで肺野のCT値の評価をしても問題ないことが判明した。Air trappingの範囲に関しては、今後air trappingを有する症例で体位による変化有無を観察し、体位の変化はair trappingの出現状況に影響がないことを確認したい。2名でこのことを確認したが、さらに症例を追加する必要があると考えている。肺野変化の評価が体位により影響されないことは、今年度に臨床生理学会で発表する予定である。 2)非喫煙者(各年齢層)でair trappingの有無を検討したところ明らかなair trappingは観察されなかった。また、喫煙症例では、気腫性変化が観察されている症例が多かった。また、明らかなair trappingも存在していた。気腫性変化のない症例も存在していたが、喫煙と末梢気道レベルでのair trappingの出現は関連が存在するとと考えている。さらに症例を増やし検討する予定。これらの症例では呼吸機能検査も施行しておりCT上の所見との対比が可能である。 3)平成13年度中には喫煙症例を中心にair trappingの評価をさらに追加したい。これらの症例では呼吸機能検査を施行し、CT上の評価との対比が可能としたい。13年度中には多数症例でair trappingの評価を施行し、あわせて呼吸機能検査との対比も行い、両者の相関の有無・CTの有用性の有無・喫煙の肺野変化に対する影響の有無に関しある程度の結論を導くことができるかどうか判断したい。
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