研究課題/領域番号 |
12670851
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高田 義久 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (00134205)
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研究分担者 |
安岡 聖 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (50200499)
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キーワード | 治療計画 / 陽子線 / ペンシルビーム法 / ブロードビーム法 / モンテカルロ法 / Modulated Pencil Beam Algorithng / オープンビーム / 入射ビームモデル |
研究概要 |
陽子線治療の前提となる陽子線治療計画における最重要部分である線量分布計算法の改良を行い、精度の検証をファントムを使って行った。ペンシルビーム法は、ブロードビーム法に比べ精度の改善に大きな効果があることが分かった。また従来のペンシルビーム法の入射ビームモデルの見直しを行い、より正確な入射ビームモデルを作り精度の向上を図った。またRange-Modulated Pencil Beam法を開発し、従来のペンシルビーム法とほぼ同等な精度を保ちつつ計算時間を数十分の一にすることが可能であることを示した。ペンシルビーム法が、ボーラスなどを通過したビームが水などの均質媒質に入射した場合の線量分布を良く再現することが出来ることを実測との比較で確認した。一方、人体のいくつかの部位のようにLateral方向に大きな不均一がある場合の線量分布については、ペンシルビーム法による計算結果に測定データとの有意な乖離が見られる場合があった。この乖離は、簡易化されたモンテカルロ法で計算した結果ではかなり小さくなった。従って、この乖離の原因は、ペンシルビーム法の線量計算モデルが散乱された粒子のトラッキングを正しく扱っていないことによるものである。モンテカルロ法の問題点は、計算時間が長くかかることにある。簡易化されたモンテカルロ法である程度、計算時間の短縮が可能であることを示したが、完全な3次元問題を解こうとするとやはり単一CPUでは、半日程度の計算時間がかかるので、並列化による高速化により、30分以内程度に収める必要がある。現状では、Lateral方向の不均一がさほど大きくない対象についてはペンシルビーム法は十分高精度で線量分布予測ができるので、ペンシルビーム法を主体に線量計算を行い、Lateral方向の不均一が大きい対象には、モンテカルロ法の計算により精度の検証を行うべきである。
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