研究課題/領域番号 |
12670856
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
久山 順平 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (30291298)
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研究分担者 |
内田 佳孝 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (30261902)
伊東 久夫 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20095574)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 免疫シンチグラフィ / インターロイキン2 / 腎移植 / リンパ球湿潤 / 急性拒絶反応 |
研究概要 |
臓器移植の実施例が増加するに従い、その急性拒絶反応の克服の重要性が増大し、適切な早期診断方法が必要とされている。臓器移植後の拒絶反応の診断にはこれまでは特異的な方法はなかった。急性拒絶反応において移植組織に浸潤した組織傷害性リンパ球の存在を描出することを目標とし、インターロイキン2(IL-2)をRIで標識したトレーサーによるシンチグラフィを試みた。これは急性拒絶反応の組織において認められる活性化Tリンパ球の膜表面にはIL-2レセプターが発現していることを利用したものである。RI標識法の選択にあたり、IL-2のようなペプタイドの標識核種として最も一般的なヨード(I)の標識方法、酵素法・クロラミンT法・ヨードゲン法の3種の比較検討により、最もコストが低く、操作過程が単純で、標識率の高いクロラミンT法を選択した。腎移植モデルではラットの左腎の同所移植術をSDラット(ドナー)→Wistarラット(レシピエント)の組み合わせで施行した。組織のI-125標識IL-2分布を測定する屠殺タイミングは血中放射能の低下するトレーサー静注4時間後とし、実験を行った。腎移植を施行したモデルでは本来の右腎と移植左腎の単位重量あたりの放射能比は、移植直後の12時間から上昇が認められ、移植4目目まで上昇を示した。移植4日後には移植腎モデル(n=6)の左/右腎放射能比は3.8±1.1、自己腎を再縫合した模擬手術モデル(n=3)と免疫抑制剤(CyclosporinA)を投与したモデル(n=3)では、同じ移植4日後の時点で、いずれも左腎放射能の上昇は認められず、移植モデル群と有意差が示された。移植左腎の組織標本でミクロオートラジオグラフィを施行すると、浸潤リンパ球に一致したI-125の分布が示され、I-125標識IL-2が組織傷害リンパ球の存在を特異的に評価していることが確認された。現在、さらにガンマカメラによるイメージングを施行するためTechnetium-99mによる標識方法の検討を行っている。
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