研究課題/領域番号 |
12670867
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松田 哲也 京都大学, 情報学研究科, 教授 (00209561)
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研究分担者 |
小森 優 京都大学, 医学研究科, 講師 (80186824)
高橋 隆 京都大学, 医学研究科, 教授 (40055992)
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キーワード | 流速測定法 / 位相コントラスト法 / 位相アーティファクト / 高速MRI / 前駆パルス |
研究概要 |
MRIは血流に対して高い感受性を持ち、既に血流速度の定量化やMRアンギオグラフィーとして臨床的にも広く用いられている。空間分解能および速度分解能に優れた位相コントラスト法は現在MRIによる流速測定法として標準的な方法となっているが、撮影に長時間を要するという欠点がある。近年のMRIでは撮影の高速化が著しいが、一般に高速撮影法では信号の位相成分に歪みが生じやすいため、位相コントラスト法の高速化には様々な問題点があった。そこで、本研究では位相コントラスト法の高速化を目的として、速度エンコードパルスをpreparation pulse(前駆パルス)として高速撮影法に適用できる方法の開発を試みた。 位相コントラスト法の高速化に対する一般的なアプローチは位相成分の歪みを補正するものであったが、信号強度(magnitude)情報は高速撮影法においても安定して収集できることに着目し、不安定な位相速度情報を一旦信号強度に変換し、信号収集後に位相情報へと再変換するという新しい方法を考案した。研究の初年度である本年度は、主としてこの新しい発想に基づく方法論に対し基本原理の実験的検証を行った。信号が安定して収集できる古典的なグラディエントエコー法に、位相速度情報を信号強度に変換する方法を実装し、さらに得られた信号強度を位相情報に再変換し、速度を定量する後処理用プログラムの開発を行った。定常流モデルを対象として、新しい方法と従来の位相コントラスト法とを用いて流速画像を撮影し、流速の定量性を比較検討したところ、ほぼ一致した結果を得ることができ、我々の新しい方法が原理的に正しいことを確認できた。現在、高速撮影法への実装を行い予備的な実験に着手した段階である。
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