初年度に引き続いて、佐賀医科大学放射線科医学教室内の市販パソコンと協力施設のパソコンを公衆回線であるISDNにて結び、以下の実験を行った。 初年度はISDNを通してファイルのやり取りが可能かどうかと、軽度の圧縮にて画像診断が可能かどうかの実証実験を行ったが、本年度は、画像の圧縮度を上げてもとのサイズの0.3倍まで圧縮して調査した。他院施設のMRIはDICOMでの出力ができないため、スキャナーでスキャンする手間が必要であったので、本年度より画像データは佐賀医科大学附属病院の患者およびボランティアを撮影し得られたDICOMデータ(15例:頭部および脊椎)を用いた。DICOMデータは市販ソフトによりパソコン上でJPEG形式に変換され0.3倍程度に圧縮された。これを協力施設間とISDNで結んだパソコン同士で転送実験を行いその時間を記録した。またハードコピーで指摘されている病変が0.3倍まで圧縮した画像で診断可能かどうかを検討した。 結果:高圧縮率での1例あたりの平均転送時間は7分15秒であった。臨床上問題となる病変はほとんど診断可能であったが、微小な病変は診断困難だった。
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