肝移植においてはCT、MRI、超音波など様々の画像診断が行われるがこれまでの方法では限界がある。肝移植おいては肝臓の形態的情報として肝臓の体積測定や、肝動脈、門脈、静脈などの脈管構造と胆管構造の把握が必要である。 本研究班では肝移植に対するイメージングを目的として主に造影剤使用MRIを重点的に研究してきた。まず初年度はMRIの肝臓のイメージングの研究を重点的に行い、造影剤使用MRIの臨床応用について多くの研究成果をあげることができた。さらにCTによる造影剤の検討も行った。次年度には主に実際の移植患者の臨床応用に移ったわけであるが、ここではMRIよりむしろCTによる三次元画像が臨床的には優れていることが明らかとなり、研究の主体を三次元画像に移した。そこでは肝移植のドナーにおいては、浸襲性の高い血管造影の代用として造影剤を用いたMRangiogrphyならびにCTangiographyを利用することで患者の負担が軽減され非常に有用であった。また薬剤の認可などの問題により、当該研究期間では鉄の造影剤以外の肝特異性造影剤は入手困難となり、十分な検討は行えなかったことをお断りする。
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