研究概要 |
腕時計型線量計試作品(以下線量計)を用いてIVR検査時の被曝線量モニタリングへの有用性の検討を行った.方法:線量計を術者が手首に装着してIVR手技を行い,線量を測定した.同時に熱ルミネセンス線量計(TLD)を線量計センサー部(手背)より1cm以内と手首部(手背部のTLD部の対側)に各3本装着して線量を測定した.これにより線量計とTLDの対比,手背部と手首部の対比を行うこととした.平成13年度は平成12年度に引き続き症例の蓄積を行ったが12年度の測定内容に加えて術者の甲状腺被ばく,患者の被曝の評価も行うこととした.IVR術者の甲状腺部にTLD3本を固定し,甲状腺の被曝線量の評価を行い,腕時計線量計表示値,腕部TLD測定値との関係を求めるた.またIVRにおける患者の被曝線量の評価目的で透視部位に表面線量計をおき,患者被曝線量の測定も行った.最終的には術者被曝と患者被曝の関連性の評価も行うこととした.線量計着用者はIVR担当医師,放射線技師,放射線部看護婦であり,血管系IVRはアンダーチューブ装置,非血管系IVRはオーバーチューブ装置で行っている.測定結果の解析は14年度に行う予定であるが透視時間が長くなるにつれ患者被曝線量は増え,術者の腕時計線量計の表示値も増加する傾向があった.ただし腕時計線量計の表示値とTLDで測定した線量は必ずしも一定の傾向を持たないようであった.また,手背側のTLDと手首側のTLD間にも一定の傾向が見られなかったが,検査(手技)内容,検査部位,検査時間,術者の経験年数などを加味した解析が必要である.
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