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2002 年度 実績報告書

ASL法を用いた局所脳血流評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 12670889
研究機関宮崎医科大学

研究代表者

小玉 隆男  宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (40153564)

研究分担者 矢野 貴徳  宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20315378)
長町 茂樹  宮崎医科大学, 医学部, 講師 (40180517)
キーワード磁気共鳴画像 / Arterial spin labeling / 局所脳血流
研究概要

平成14年度も,arterial spin labeling(ASL)の一法であるASTAR(signal Targeted Alternating Radio Frequency with Asymmetric Inversion Slabs)法に関して,3D Fourier transformation(FT)法を用いたマルチスライス法を中心として基礎的,臨床的に検討を加えた.2Dマルチスライス法と異なり,3D法では各スライスの反転時間(TI)は同一となる.マルチスライス法の問題点の一つは,ラベル用の反転(Tag IR)パルスによるmagnetization transfer contrast(MTC)の影響がcontrol IRパルスによって完全には補正されないことである(中央のスライスのみ補正可能).このため,マルチスライス法では静止組織の信号を抑制することが重要と思われた.マルチスライス法では頭側のスライスほどTag IRパルスとの間隔が広く,シングルスライス法に比べてarterial transit time(ATT)の影響がより顕著となる.ATTが短いと思われる若年正常ボランティアの検討でも,頭側のスライスで十分な画質を確保するためにはTIを1400ms以上に設定することが好ましいと思われた.高齢者やモヤモヤ病をはじめとする閉塞性動脈疾患症例では,ATTの延長によって,局所血流の過小評価や残存する血管内信号に伴う過大評価が起こりえる.TIを延長することでATTの影響を軽減することが可能であるが,TIの延長はラベルされた血液の縦緩和に伴う信号低下および撮像時間の延長をもたらす.脳血流速度(ATT)に応じてTIなどの撮像条件を最適化する必要があるが,それぞれの症例におけるATTを予測することは容易ではない.また,縦緩和による信号低下や検査時間を考慮すると,現時点の手法ではTIの延長にも限界がある.進行したモヤモヤ病などでATTが極端に延長している場合には,この手法による脳血流評価は困難と考えられる.我々が用いた手法では血管内信号の抑制が必ずしも十分ではなく,その手法に関しては再考が必要と思われた.
2D ASTARに関して日本医学放射線学会総会,アメリカ神経放射線学会,Symposium Neuroradiologicum (Paris)および北米放射線学会で,3D ASTARに関してSymposium Neuroradiologicumおよび日本神経放射線学会で発表した.現時点では,誌上発表には至っていない.

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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