研究概要 |
(1)ずれ(セットアップエラー)検出の基礎として、頭部ファントムを用いて、全脳照射を例に左右方向の撮影を例として、イメージ面に平行なx、yの2方向(頭-足、腹-背方向)の移動、及びx、y、x3軸に対する回転のずれ(ピッチ、ヨー、ロール)に関するリニアックグラフィーでの目視による検出能について調べた。移動のずれよりも回転のずれが検出しにくかった。イメージ面と垂直な軸での回転(ヨーイング)で検出能が高く、その他の2軸では低くなった。 (2)位置決め画像及び、リニアックグラフィーそれぞれに対しる補正を適性にするための検討を行った。軟部陰影に起因するベースの露出の差は、フーリエ変換による周波数空間での低周波成分の除去と逆フーリエ変換により補正可能であった。投影像であることに因する拡大率の補正の校正のため頭部ファントムに金属マーカを用いて行った。 (3)照射範囲確認の手がかりとなる骨の特徴的形状について検討した。側面像における骨の特徴的形状として、特に頭-足軸まわりの回転(ローリング)及び、腹-背軸まわりの回転(ヨーイング)のずれに関しては、骨性耳道の上下,左右のずれとして検出可能で骨性耳道が像として確認できれば、金属マーカと同程度の精度でずれの検出が可能であった。 (4)以上の手法を臨床に応用するため、実際に全脳照射が行われた臨床症例15例に対し、そのシミュレータによる位置決め画像とリニアックグラフィーに対し、セットアップエラーを測定した。目視によっても骨の特徴的形状が見難い症例もあり、自動認識関しては骨の特徴的形状の抽出が困難であった。
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