研究概要 |
(1)脾臓への放射線照射による白血球数、血小板数、体重の変動の有無を見るために、7週令雄ラットの脾臓に250KV X線を一回照射した。線量は、5Gy、10Gy、15Gyで,各群n=6。白血球数については、照射翌日には5、10、15Gy群で、それぞれ-32%、-38%、-45%の減少が見られたが、一過性の減少であった。血小板数については、減少はなかった。体重は、15Gy群で減少したが、他の群では有意な減少はなかった。 (2)肝硬変・脾腫ラットを作成するために、雄ラット7週令時より、チオアセトアミド3%(初め3ヶ月は4%)水溶液を体重比0.5%量を1回量として、週3回の腹腔内投与を続けた。8ヶ月の連続投与で,肝硬変,脾腫(正常脾臓重量の平均4.5倍)が見られた。このラット群では、血小板の減少(-55%)赤血球の減少(-32%)、が認められ、脾機能亢進症によると思われた(n=6)。 (3)脾臓への放射線の照射で脾機能亢進症(血小板数減少、血小板数減少)が改善するか否かを確かめるために、(2)の方法で作成した脾腫ラットに対し,脾臓に15Gyを一回照射した(n=5)が、4匹が強い下痢のため10日以内に死亡した。現在、照射方法・照射線量等の改善を検討中である。
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