研究概要 |
文部科学省科研費補助金により研究を遂行した結果,以下のような研究成果を得た。 1.擬似X線レーザー装置の試作:約0.2μFの低インダクタンス大容量コンデンサーを高電圧電源を用いて60kV程度まで充電し,蓄積された電荷を瞬時に冷陰極X線管内に放電することにより,擬似X線レーザーの発生に成功した。X線管をターボ分子ポンプにより1mPa程度に連続排気し,X線管のターゲットには銅,ニッケル,鉄,そしてセリウムを用いた。炭素陰極には棒状と環状のものを採用した。 2.高フォトンエネルギー擬似X線レーザー装置の試作:約0.15μFの低インダクタンス大容量コンデンサーを高電圧電源を用いて120kV程度まで充電し,蓄積された電荷をギャップスイッチを閉じることにより瞬時に冷陰極X線管内に放電し,タングステン擬似X線レーザーの発生を試みた。X線管と高電圧パルス発生装置は4本の同軸ケーブルにて接続され,陰極には環状のものを採用した。 3.低フォトンエネルギー擬似X線レーザー装置の試作:約0.2μFのパルスコンデンサーを20kV程度まで充電し,蓄積された電荷を高耐久キャピラリー付きのX線管内に放電した。次にキャピラリー内に線状の金属プラズマX線源を形成し、炭素Kα線強度の増加・増幅を試み,ほぼ良好な結果を得ることができた。 4.超高速度平行X線撮影:平行X線を得るためのポリキャピラリー,フィルムレスのKonica Direct Digitizer(REGIUS 1500),そして擬似X線レーザーを用いて平行X線撮影を行った結果,CRの画像分解能に匹敵する約100μmのラインを描写することができた。
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