研究概要 |
文部科学省科研費補助金により研究を遂行した結果,以下のような研究成果を得た。 高電圧スイッチ付き高フォントエネルギー疑似X線レーザー発生装置 この装置は5〜60keV程度のK系列特性X線増幅に用いられる。大容量パルスコンデンサーを40〜100kV程度に充電し,蓄積された電荷を瞬時に冷陰極X線管内に放電した。ターゲットは最大30kA程度の管電流により気化され,電子と金属陽イオンからなる線状のプラズマX線源が形成された。実験ではプラズマ軸方向から強い準単色X線を得ることができた。 低フォントエネルギー疑似X線レーザー発生装置 この装置は0.3〜2keV程度の特性X線増幅に用いられる。まず大容量パルスコンデンサーを30kV程度まで充電する。つぎに蓄積された電荷を新しい高耐久キャピラリー付きのX線管内に放電することによりキャピラリーの陽陰電極を気化し,準単色X線を発生させた。 X線レンズによる撮影 実験ではポリキャピラリープレートとCRシステムを用いて平行X線撮影を行った。この撮影での照射野は狭いが等倍のX線画像が撮影でき,100μm程度の画像分解能を得ることができた。 コヒーレンスの測定 試作したすべてのX線装置から出力するX線を4個のスリットからなる回折実験装置に通した。これらのX線はインコヒーレントX線と比較してスリットで大きく回折されることから,自然放出X線にもかかわらず高いコヒーレレンスを持つことがわかった。
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