研究課題/領域番号 |
12670903
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
安藤 裕 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (20118904)
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研究分担者 |
川口 修 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90276428)
藤井 博史 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80218982)
国枝 悦夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70170008)
塚本 信宏 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教授 (20227375)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 画像表示 / 画像処理 / 階調処理 / ROC解析 / 液晶表示装置 |
研究概要 |
携帯用画像診断装置のために現在考えられる最適の表示装置は、液晶表示装置である。この液晶表示装置(LCD)と従来から使用されているCRT表示装置の比較検討とを行った。 読影対象は正面胸部X線画像100画像である。正常な胸部X線画像50画像に、人工的な結節状陰影を重ねて病変のある胸部X線画像を50画像作成した。画像を表示する場合に、階調処理を行い、白黒の階調を知覚上線形となるように変換した。この画像を、明るさを200カンデラに揃えた表示装置で読影を行った。放射線診断を行っている医師10名に読影実験を行い、各々CRT画像とLCD画像で2回読影を行った。読影者は、各々の画像について、結節状の異常陰影の存在診断を行い、記録を行った。読影時間は、1画像30秒と限定し、読影時間のばらつきを押さえた。その結果をROC (Receiver operating characteristic)解析を行い、ROC曲線の面積を比較した。その結果、面積(Az)値は、個人のばらつきがあるが、LCDでは、10名の平均値0.89909で(最大0.9627、最小0.8337)、一方、CRTでは、平均値0.91821で(最大0.9701、最小0.8519)であった。 Az値は、ややLCDよりもCRTの方が値が良好であった。しかし、これらの値に、有意差はなかった。この結果から、携帯用の液晶表示装置は、CRT表示装置と比べて臨床上問題がないと考えられた。 今後、携帯用の診断装置を開発する場合に、CRT表示装置の代わりにLCD表示装置を使用可能と判断できた。
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