研究概要 |
平成12年度においては、ニューラルネットに対する教師データとなるエネルギースペクトルデータを作成するため、Tc-99m, I-123の光子を異なった混入割合で発生させ、モンテカルロ法を用いた光子輸送を行い検出器側で1画素ごとにスペクトルを作成した。ファントムは心筋のデジタルファントムとした。また、ニューラルネットのプログラミングを行い、入力、出力の素子数、中間層の数などさまざまなバラメータを最適化した。その結果、ニューラルネットの構造は入力素子数10、中間層の素子数20、出力の素子数は2となった。入力は120keVから180keVの6keV幅のエネルギーウィンドウから得られる10個のカウントデータ、出力としては全エネルギーウィンドウ内の核種毎の非散乱光子の割合である。さらに収束性とネットワークの構造に関しても詳細な調査を行った。 平成13年度においては、現有のSPECTシステム(東芝製GCA7200A)を用いた基礎実験と臨床実験を行なった。さらに、昨年、別の研究者から提案された2核種分離法と我々の手法のどちらが優れているかを検証した。具体的には、ニューラルネットに入力するパラメータを再検討し、エネルギーウィンドウの設定位置やその幅を、実測データから最終決定した。この結果、我々の提案する方法が優れていることが明らかとなった。また、散乱線の補正と職種の分離が実行できるようにファームウェア化を検討し、より一般性を持たせるため最終的にはソフトウェアレベルで実現できるようにした。 最後に本研究の成果に関して、報告書にまとめた。
|