研究課題/領域番号 |
12670922
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中谷 陽二 筑波大学, 社会医学系, 教授 (30164221)
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研究分担者 |
蓑下 成子 川村短期大学, 生活学科, 助教授 (20333255)
菊地 正 筑波大学, 心理学系, 教授 (80161420)
佐藤 親次 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (90162437)
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キーワード | 能面 / 統合失調症 / 社会復帰 / SST / デイケア / コンピュータ提示 / 社会適応度 / 表情認知s |
研究概要 |
精神分裂病患者の表情認知能力の障害は彼らの社会復帰の妨げになるといわれる。そのため、社会技能訓練として表情認知訓練が提案される。しかし、表情認知訓練の前提となる表情認知能力の客観的評価はほとんどなされておらず、表情認知特性と社会適応度の関係も明らかにされていない。そこで、「能面を用いた表情認知テスト」(簑下,1999)を用い、精神分裂病患者の表情認知特性を数値化し社会適応度の諸尺度と比較した。 被験者:精神分裂病(DSM-IV)患者15名(男性) 方法:被験者に、能面テスト(CRT上に提示された上下方向に異なる傾き角度の能面画像を見て、12の感情項目と能面の表情が一致するかを判断)、BPRS、回復スケール(尾崎ら)、精神障害者社会生活評価尺度(岩崎ら)、精神分裂病患者の自己効力感(福井ら)、分裂病の主観的欠陥体験評価尺度(SEDS)日本語版(岩脇ら)を施行した(1994年実施)。回復スケールに関しては1998年の時点の評価も同時に行った。被験者は就労状況で2群に分けられた。4年間の間2年間以上就労できていた被験者を就労群とし、そうでない群を非就労群とした。能面テストスコア(健常者15名の70%以上の答えを正解とみなして採点した0点から102点までのスコア)と社会適応度を比較した。 結果:能面テストスコアは社会適応度の尺度と相関し、4年後の社会適応状態の変化と相関していた。能面テストスコアが高い、つまり表情認知が健常者と近い患者の方が4年後の社会適応状態は良好となっていた。 今後の展開:現在継続してデイケア通所患者に能面テストを実施している。男女別の能面テストスコアの推移を探っている。
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