研究課題/領域番号 |
12670925
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
下山 一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60115483)
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研究分担者 |
兼子 直 弘前大学, 医学部, 教授 (40106852)
大野 博司 金沢大学, がん研究所, 教授 (50233226)
峯 清一郎 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (70190709)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | G protein / effector / G protein-gated inwawd rectifier potassium channel / βadrenaline receptor kinase / kindling / temporal lobe epilepsy / epilepsy / Gβγ subunits |
研究概要 |
本研究では、G蛋白質のβγサブユニット及び、その標的エフェクターであるG protein-gatedinwardrectifier K+channel(GIRK)及びβアドレナリン受容体キナーゼ(βARK)の変動について分析を試み、てんかんの分子病態における、G蛋白質介在性の伝達機構の障碍を、より詳細かつ複合的に解明することを目標とした。 平成12年度は、主として、てんかん脳におけるG蛋白質βγサブユニツト及びαサブユニットの変動について、平成13年度は、βγサブユニットと共役するエフェクター分子であるBARKおよびGlRKの変動を検索した。 キンドリングモデルにおける免疫組織学的検索により、全般発作誘発後にβ1,β2,γ3サブユニットに対する免疫反応陽性細胞数が著明に増加するが、部分発作段階ではβ1のみ著明な増加が認められた。エフェクター分子の変動についても同様の方法で検索を行った。GlRK2、βARK2の免疫反応陽性細胞数は全般発作群の両側海馬および、PK群の右側海馬で著明に増加し、このような変化は海馬のほぼ全層において認められた。さ同様の変化は、ヒト側頭葉てんかんの海馬焦点切除標本においても認められ、てんかん性放電の頻発領域で、免疫反応陽性細胞数が著明に増加していた。 これらの研究結果は、G蛋白質βγサブユニット及びGlRKβARKにおける変動がてんかんの病態基盤と密接に関連していることを示唆するものである。G蛋白質の各サブユニットにおける機能的、量的変動が、そのエフェクター分子の変動につながり、複雑かつ重層的な伝達障害をひきおこされ、これらの変化がてんかんのさまざまな病態基盤に重要な意義をもっていることが考えられる。
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