研究課題/領域番号 |
12670928
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩波 明 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80276518)
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研究分担者 |
湯本 真人 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30240170)
伊良皆 啓治 東京大学, 医学部・大学院医学系研究科, 助教授 (20211758)
伊藤 憲治 東京大学, 医学部・大学院医学系研究科, 助手 (80010106)
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キーワード | ERP / MEG / MMN / NI / P300 / 精神分裂症 |
研究概要 |
本研究においては、多チャンネル事象関連電位計測システム(高解像度ERP)、多チャンネル脳磁図計測システム(MEG)などの高解像度かつ非侵襲的な脳機能計測システムを用いて、精神疾患における脳機能および性差について解析を行なった。対象疾患としては、主として精神分裂病を扱ったが、自閉症と関連疾患も対象にした。またこうしたERPやMEGなどの生理的学指標とともに構造的な指標であるMRIも計測し、生理学的指標と形態学的指標の異常の関連についても解析を進めつつある。さらに神経心理学的機能との関連についても検討を進めている。 ERPにおいては,自動的な注意機能を反映するミスマッチ陰性電位(MMN)と、能動的な認知機能を反映するP300成分について解析を行った。MMNは、純音刺激と音声刺激に対する成分を求めた。この結果精神分裂病においては音声刺激の変化に対するMMNが有意に低振幅であり、言語情報の処理過程において障害がみられることが示唆された。薬物療法との関連では、MMNの振幅、潜時はベンゾジアゼピン系の薬剤の影響がみられなかった。P300成分については、P300振幅が精神分裂病の思考障害と関連すること、重症例で側頭部の振幅低下が大きいこと、認知機能の改善に伴ないP300潜時の短縮がみられることなどの新しい所見が得られた。MEGにおいても、ERPと同様にMMNの解析を行なった結果、精神分裂病において音声刺激に対するMNNが有意に低振幅であった。
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