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2002 年度 実績報告書

精神分裂病モデル動物におけるprepulse inhibitionと発病の予防

研究課題

研究課題/領域番号 12670931
研究機関富山医科薬科大学

研究代表者

角田 雅彦  富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (30322762)

研究分担者 鈴木 道雄  富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (40236013)
キーワード精神分裂病 / モデル動物 / Prepulse inhibition / ラット / 嗅内皮質 / ドーパミン
研究概要

Prepulse inhibition(PPI)は人でも動物でも生じるが、精神分裂病(分裂病)患者ではPPIの減弱(抑制)が起こることが知られている。われわれは、分裂病モデル動物として嗅内皮質傷害ラットを用いて検討してきた。今回は嗅内皮質傷害ラットにおいてPPIの減弱が起こるかどうかを検討した。方法は、7週齢時のWister系雄性ラットで、Ope前日に驚愕反応測定装置によりPPIを測定し、左側または右側の嗅内皮質を100nmolのキノリン酸を注入し傷害した。同様に0.5μlリン酸緩衝液のみを注入したラットを作成し対照群とした。傷害群と対照群ともにさらに2群に分け、1群は1匹だけ隔離飼育し、もう1群は2匹をペアにして飼った。傷害4週間後、PPI値を再測定した。その後、断頭して脳を摘出し組織学的に嗅内皮質の破壊を確認した。その結果、まず左側傷害では、Ope前のPPI値は、隔離傷害群(n=11)81.4±5.2、ペア傷害群(n=11)81.6±6.0、隔離対照群(n=11)81.6±5.5、ペア対照群(n=10)81.3±4.0と各群間に有意差はなかったが、Ope4週間後では、隔離傷害群56.1±25.3、ペア傷害群71.4±15.2、隔離対照群77.7±4.8、ペア対照群82.2±6.1と有意差が認められた(ANOVA)。右側傷害でも、Ope前のPPI値は、隔離傷害群(n=5)80.3±7.7、ペア傷害群(n=6)82.3±6.1、隔離対照群(n=5)81.1±6.1、ペア対照群(n=5)80.3±5.0と各群間に有意差はなかったが、Ope4週間後では、隔離傷害群67.1±17.8、ペア傷害群76.4±18.5、隔離対照群77.1±4.8、ペア対照群80.2±6.1と有意差が認められた(ANOVA)。嗅内皮質の傷害により、分裂病患者でみられるようなPPIの減弱が認められ、さらに、ペア群よりも隔離群でその傾向が強かった。これは、隔離した環境が、PPI値にも影響を及ぼしたと考えられた。現在、抗精神病薬の投与によりPPIの減弱が予防できるかを検討しているところである(PPIの単位は%)。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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